なぜみどりの香りで疲れが回復するの?、「みどりの香り」で疲れが回復するのはどうして?


疲れがとれる仕組み(みどりの香りと脳と疲労の関係)

脳には「眼窩前頭野(がんかぜんとうや)」という部分があります。
眼のすぐ奥にあるのですが、ここは『疲れ』を感じると『休め』の命令を出し、これ以上疲れないよう活動を低下させる安全装置のような役割をもっています。
とは言え、身体の疲れや不調を感じても休めない時もありますよね。『休め』の命令を無視し活動すると、「前頭前野」という部分が動き出し、「眼窩前頭野」の働きを止め、脳を再び活動できるようにします。そうすると、「眼窩前頭野」は『疲れ』を感じても『休め』の命令を出さなくなってしまい、ストッパーとしての役割が弱くなってしまいます。

「眼窩前頭野」が『休め』という命令を出さないため休もうとせず、『疲れ』だけが溜まっていき、いつも疲れている、疲れがとれない、という慢性疲労状態になるのです。

疲れを感じた時に「みどりの香り」を嗅ぐと、「みどりの香り」がもつ青葉アルコールと青葉アルデヒド成分が、鼻の嗅細胞を刺激します。それが脳の神経細胞に作用して機能を高めます。脳細胞の機能が高まると、細胞にかかる負荷は軽くなり、疲れの元になる活性酸素の発生も抑えられ、疲労が軽くなるのです。


人が緑からは慣れて都市部に暮らしはじめたのは人類の歴史上の1%にも満たない歳月です。
天然の植物から、このような抗疲労効果のある香りが発見されたということは、人は本来、自然の中で生きていくように遺伝子レベルでプログラミングされている証なのかも知れません。


都会に行くと、緑よりもコンクリートに囲まれ、そよ風に乗って届くような「みどりの香り」を嗅ぐ機会もなかなかありません。もしかすると、そのような環境こそが、現代人の疲れを助長しているのかもしれません。

「みどりの香り」以外に、森林浴によるマイナスイオンやフィトンチッドの癒し効果は、現段階ではまだ科学的実証には至ってはいません。